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インテリアデザインのプロが描く団地の未来 第3回

新栄団地の可能性にいち早く着目し、団地再生プロジェクトの第1弾として、2階の一室をフルリノベーションした「陽に新た不動産」。築50年以上を経た団地の一室が、現代の暮らしにフィットする住まいへと生まれ変わったケーススタディハウスについて、石川代表にその思いをうかがいました。

デザインへの飽くなき探求心が共感を生む

―ケーススタディハウスについてお聞きする前に、「グローバルデザイン」が住まいづくりでもっとも大切にされていることをお聞かせください。

石川代表(以下、石川) そこに住む人を具体的にイメージして考えることです。デザイン優先の住まいを作ることはできますが、もしかしたら、それで不便さを感じてしまうかもしれません。快適に過ごせることが、もっとも大切だと思います。また、使い続けることで、より魅力が増すような建材を選ぶことも心がけています。

―ケーススタディハウスもどなたかを想定して考えられたのですか?

石川 今回は私自身を想定しました。もし私がここに住むなら、土間収納は欲しいし、アートを飾るためのピクチャーレールも必要だし、床も無垢材の方が気持ちいいだろうなと。そうした私のこだわりを盛り込みながらも、独身の方でも新婚のご夫婦でも快適に暮らせる間取りを考えていきました。

―なるほど。そうすると、このケーススタディハウスを気に入られる方は、石川さんのような感性をお持ちの方ということになりますね。

石川 そうですね。デザイン感度の高い方には、きっと気に入っていただけると思います。そして、そういう方こそ、この家をよりよく育ててもらえると信じています。

自由度が高いからこその試行錯誤

―ケーススタディハウスは、3DKから1LDKの間取りになったことで、大きく印象が変わりました。今回のようなフルリノベーションには、どのようなメリットがありますか?

石川 住む方の理想を叶えられるのはもちろんですが、ほぼすべてが新しくなることで、この先の10年、20年は不具合なく使い続けられるのが一番のメリットだと思います。ただ、自由度が増すことで難しさも多々あります。特に今回は間取りでかなり悩みました。5パターンぐらいのプランを検討し、そこからもっともバランスの取れた間取りに決めました。

―間取りの決め手となったポイントを教えてください。

石川 新栄団地の中では珍しい対面キッチンです。これは新栄団地で育ったスタッフたちからもとても好評でした。あとは、使い勝手のよい土間収納はぜひ採用したいと思いました。

―工事中、想定外の出来事はありましたか?

石川 実際に解体してみたら、想像以上に建物がきれいな状態だったので、それは嬉しい誤算でした。それ以外では、建築資材の高騰が予想以上だったことでしょうか。部材も手に入りにくい時期と重なったこともあり、そういう意味でも試行錯誤を繰り返した物件といえます。

―試行錯誤を経て完成したケーススタディハウスですが、フルリノベーション前後で物件に対する思いに変化はありますか?

石川 今振り返っても、残念だったと思う部分は全くないですね。むしろ、一度、手がけたことで分かることもたくさんありましたし、改めて新栄団地のポテンシャルの高さを実感することができました。これなら多くの方に喜んでもらえるという自信につながりましたし、今後も新栄団地を盛り上げていこうという気持ちがさらに強くなりました。

快適さを追求した「ちょうどいい」心地よさ

―ケーススタディハウスで特に気に入ってるところはありますか?

石川 ちょうどいい広さのLDKです。仕事柄、ハイエンドな物件も手がけていますが、時々、規模が大きすぎて実感がわかないことがあるんです。だから、余計にこの広さに落ち着きを感じます。また、コンパクトなので、物にすぐ手が届くし、掃除もラクだなと思いますね。

―たくさんの思いが詰まったケーススタディハウスですが、どんな方に住んでほしいですか?

石川 住まいに対する「芯」を持っている方には、ぴったりの物件だと思います。たとえば、都内の一等地に邸宅を構えたり、タワーマンションに住んだりするのが「かっこいい」と思っている方よりも、自分の趣味にお金を費やしたいから、住まいは2000万円以内に収めようと決めているような方ですね。人生も楽しみつつ、ご自身にとって“ちょうどいい家”を見つけてほしいなと思います。

新栄団地のケーススタディハウスは、陽に新た不動産が初めて手がけた団地再生プロジェクトです。それだけに石川代表の思いもひとしお。その思いを引き継ぎ、未来へと住まいを育てていく人が現れる日まで、石川代表は大切に管理していくと語ってくれました。

次回はいよいよ最終回です。石川代表に、団地再生の未来について詳しくうかがっていきます。

【ケーススタディハウスの物件概要】

間取り:51.42㎡ 1LDK

建築:1974 年

建築構造:鉄筋コンクリート5 階建2 階部分

総戸数:1586戸(20戸/棟)

最寄駅:埼玉高速鉄道 戸塚安行駅 徒歩20 分

東武伊勢崎線 新田駅:バス13 分

住所:埼玉県草加市新栄4丁目1000 新栄団地1-1-202号

備考:ペット飼育不可

大規模修繕済(2018年末完了)

雑排水管取替済・二重サッシ交換済(2015年末完了)

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(アクセス情報)
埼玉高速鉄道 戸塚安行駅 徒歩20分
東武伊勢崎線 新田駅 バス13分
旭バス 新田駅東口より乗車『新栄団地』下車

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